FAQ よくあるご質問

露点温度に関する質問
Q 露点温度とはどのような事を意味するのでしょうか。
露点温度とは、ガス中に含まれる水蒸気圧力に対するその蒸気の飽和湿度で、言い換えれば水分量を温度で示した値といえます。湿度が高くなればなる程、水蒸気圧力(量)は大きくなり、このガスにその飽和温度より低い物質を触れさせれば露を発生するので、露点温度と表記されています。
40℃ 大気圧下での空気では、51.19g/m³の水分を含む事が出来ますが、-40℃ 大気圧下での空気では、0.12g/m³の水分しか含む事が出来ません。
この様に、値が低い程含有水分量が少なく、乾燥したガスといえます。
40℃ 大気圧下での空気では、51.19g/m³の水分を含む事が出来ますが、-40℃ 大気圧下での空気では、0.12g/m³の水分しか含む事が出来ません。
この様に、値が低い程含有水分量が少なく、乾燥したガスといえます。
Q 大気圧下露点温度と圧力下露点温度の違いは何ですか。
大気圧とは大気の圧力で、約0.1013MPa absが常に掛かっています。機器の圧力計が0.69MPaGを示している時、実圧は約0.7913MPa absの圧力となります。この圧力を大気圧で割った値を実圧縮比と呼び、0.69MPaGの値は約7.81となります。40℃ 大気圧下での空気では、51.19g/m³の水分を含む事が出来ますが、40℃ 0.69MPaG中では51.19g/m³/7.81(約6.55g/m³)の水分しか含む事が出来ません。この様に、圧力が上昇する事で、ガス内部の水分が凝縮され、乾燥したガスとなります。
従って、大気圧下水分含有量(g/m³)/実圧縮比=圧力下水分含有量(g/m³)となります。
従って、大気圧下水分含有量(g/m³)/実圧縮比=圧力下水分含有量(g/m³)となります。
Q 露点温度は、どのような方法で確認するのですか。
通常、露点計と呼ばれる計測器により、計測を行います。現在弊社の使用している主な露点計は、静電容量式の露点計で持ち運びができるポータブルタイプと、パネルマウントタイプがあります。乾燥空気をサンプリング(5から10NL/min)し、計測を行います。
露点計についてのご質問があれば、弊社までお問い合わせください。
露点計についてのご質問があれば、弊社までお問い合わせください。
Q 実際の露点温度と、計測器の示す露点温度が一致するのに、時間が掛かる場合があるのは何故ですか。
水分量が非常に少ない場合は、検出環境の状況によって、計測器の指示値の真値への到達スピードは大きく左右されます。検出環境とは、計測器センサーの乾燥度合・検出母管及びサンプリング配管の乾燥度合です。検出配管の内面が汚れていたり、内面が粗いと水分子が包含しやすくなり、乾燥されるのに時間もかかります。
省エネに関する質問
Q 脱湿装置における省エネ方法は、どのような方法がありますか。
脱湿装置における省エネとは、主に再生に必要なエネルギーロスを少なくする事です。
脱湿装置の再生エネルギーとは、加熱時に必要な電力・蒸気、また冷却やヒートレスタイプの時に消費(放出)される、再生ガスの圧縮に必要な電力等の事です。
脱湿装置の再生エネルギーとは、加熱時に必要な電力・蒸気、また冷却やヒートレスタイプの時に消費(放出)される、再生ガスの圧縮に必要な電力等の事です。
- 1. 脱湿・再生切換を露点温度で制御する事により、再生回数を減らしエネルギーロスを少なくします。
- 2. 加熱再生式脱湿装置では、加熱温度制御をする事で、加熱終了を水分負荷に応じた時間にする事が出来、
効率よく加熱再生を行います。 - 3. 脱湿装置の上流で予冷する(含有水分量を低減する)事により、脱湿装置の効率を上げ、再生エネルギーを減少させます。
- 4. 再生に必要なエネルギーとして、コンプレッサーから排出される熱を利用する方法がありますが、
この場合は、圧縮機及び脱湿装置の運転条件を充分検討して採用する必要があります。
Q 露点制御による切換時間は、何故無制限に延長するシステムとなっていないのですか。
省エネ制御によるサイクル時間を制限している理由は、再生出来る1サイクル内の水分量に制限があり、露点計器が故障した場合に、脱湿装置後流へ与える影響を少なくするためです。
脱湿装置に関する質問
Q 脱湿装置は、どのような条件を基に機種選定されるのでしょうか。
脱湿装置では、主に下記の条件を基に、機種選定を行っております。
上記の条件により、装置の選定及び再生に必要なガス量を決定しております。
- 1. 処理流量(装置入口流量か出口流量かを明示ください)
- 2. 入口温度
- 3. 運転圧力
- 4. 出口露点温度(大気圧露点か圧力下露点かを明示ください)
- 5. ユーティリティ条件(蒸気・冷却水・計装空気・再生ガス)
- 6. 処理ガス流体(空気以外の場合には、ガス組成を明示ください)
上記の条件により、装置の選定及び再生に必要なガス量を決定しております。
Q 非加熱再生式脱湿装置の再生流量は、どのように決められるのでしょうか。
再生空気が、脱湿側と同じ温度・流速で再生側を流れたとすると、脱湿時に吸着剤に吸着された湿分は、再生時に再生空気に伴って外気へ出て行きますが、再生側はほぼ大気圧なので、原理的には脱湿圧力分の1だけ流れれば良い事になります。
しかし、流速や温度は脱湿と同じ条件を維持できませんので、他の要因とも絡み合って、再生流量の割合は{1/(運転圧力+大気圧力)}+α分が必要になります。
しかし、流速や温度は脱湿と同じ条件を維持できませんので、他の要因とも絡み合って、再生流量の割合は{1/(運転圧力+大気圧力)}+α分が必要になります。
Q 非加熱再生式脱湿装置を利用していると、脈動が起こるのは何故ですか。
非加熱再生式脱湿装置では、3分から5分間の短い切換サイクルで運転を行っていますので、通常脱湿と再生の切替は30秒で行われ、再生筒を脱湿圧力と同じにするための時間が、充分に取れません。従って、切換時に瞬時に再生筒に空気が流れ込むため、装置の運転圧力は急激に変化し、脈動が発生します。脈動を抑えるためには、十分な容積のボリュームタンクが必要となります。
Q 非加熱再生式脱湿装置は、何故短いサイクルで運転されるのですか。
強制的な加熱を伴わない、その再生原理に理由があります。非加熱式の場合、吸着は粒子の表面で行われています。時間を長くすると、水分子は粒内に拡散して行き、再生ガスでパージしただけでは、吸着剤から脱離しにくくなります。
また、非加熱式では吸着の時に発生する吸着熱を再生の工程で利用して、吸着と再生の時の温度条件を一定に保とうとしていますが、長時間持続するとこの温度バランスが崩れて、再生が不十分になります。
また、非加熱式では吸着の時に発生する吸着熱を再生の工程で利用して、吸着と再生の時の温度条件を一定に保とうとしていますが、長時間持続するとこの温度バランスが崩れて、再生が不十分になります。
Q 加熱再生式は、省エネなのでしょうか。
一概には云えません。加熱再生式脱湿装置は、運転温度が低い場合や前段に冷凍式ドライヤーが設置されている場合に、非加熱式に比べてより省エネ効果を得る事ができます。
吸着剤に関する質問
Q 吸着剤のライフはどれ位ですか。
吸着剤のライフは、使用条件により大きく変わりますが、弊社で推奨している交換サイクルは、オープンサイクルの装置は長く3年/1回、クローズドサイクルで2年/1回と短くなります。
使用されている環境等によって、吸着剤の劣化は大きく変わりますので、露点温度によって交換時期を判断頂く事をおすすめ致します。
使用されている環境等によって、吸着剤の劣化は大きく変わりますので、露点温度によって交換時期を判断頂く事をおすすめ致します。
Q 吸着剤の性能劣化はどのような要因によるものでしょうか。
吸着剤の性能劣化の因子としては、下記のものが主な要因と考えられます。
圧縮空気の脱湿の場合、粒子表面の被覆によるものが一般的であって、殆ど劣化といわれるものは、これに起因しています。圧縮空気の中に含まれているカーボン・重合物等は、吸着剤の細孔を被覆したり、詰まらせる事によって、その吸湿容量を減少させる要因となります。
- 1. カーボン・重合物・化合物等による被覆(細孔の目詰り)
- 2. 摩耗による細孔の消滅
- 3. 化学反応による結晶細孔の減少
圧縮空気の脱湿の場合、粒子表面の被覆によるものが一般的であって、殆ど劣化といわれるものは、これに起因しています。圧縮空気の中に含まれているカーボン・重合物等は、吸着剤の細孔を被覆したり、詰まらせる事によって、その吸湿容量を減少させる要因となります。
Q 吸着剤を多く入れれば、低露点は出るのですか。
再生が十分に行われている事を前提とすれば、吸着剤と水分の接触時間が大きいほど、出口水分濃度の値は小さくなり、低露点が得られます。従って、吸着剤充填量が多い程接触時間が長くなるので、非加熱再生式脱湿装置では低露点を得る事ができます。
加熱再生式脱湿装置では、吸着剤の量もさる事ながら、吸湿強度が露点温度に重要な影響を与えます。吸湿強度とは、吸着剤の水分に対する親和力の強さを示すもので、吸着剤の種類によって定まるものでは無く、主として通気温度と吸着剤の再生条件によって定まるものです。

上記の式は吸着剤の種類によらず、再生条件が同じならば到達露点は同じになるという事を示しています。但し、式からも分かる様に到達露点を下げるには、再生温度を上げる事が有効であり、耐熱性が良好な吸着剤は、この点から超乾燥ガスの製造に適しているといえます。
加熱再生式脱湿装置では、吸着剤の量もさる事ながら、吸湿強度が露点温度に重要な影響を与えます。吸湿強度とは、吸着剤の水分に対する親和力の強さを示すもので、吸着剤の種類によって定まるものでは無く、主として通気温度と吸着剤の再生条件によって定まるものです。

上記の式は吸着剤の種類によらず、再生条件が同じならば到達露点は同じになるという事を示しています。但し、式からも分かる様に到達露点を下げるには、再生温度を上げる事が有効であり、耐熱性が良好な吸着剤は、この点から超乾燥ガスの製造に適しているといえます。
Q 使用済み吸着剤の処理は、どのように行えば良いのでしょうか。
吸着剤は、使用流体の種類によって異なりますが、産業廃棄物の廃プラスチック類にて処理可能です。
Q 吸着剤の種類と特徴を教えてください。
弊社が使用している吸着剤は、下記のものがあります。
1. SK-200 活性アルミナ
球状で色相は白、粒径2から4mmの吸着剤です。シリカゲルよりも比表面積が小さく、相対湿度の増減に対する吸着量の増減幅が、大きいという特徴を持っています。その吸着特性により、主に非加熱再生式の脱湿装置に使用されています。
2. SK-400 シリカ・アルミナ
球状で色相は白、粒径2.36から4.75mmの吸着剤です。活性アルミナよりも比表面積が大きく、かつ耐熱性・耐水性もあわせ持つため、主に加熱式の脱湿装置に使用されています。
シリカゲルのように、水分ミストにさらされても破砕する事は無く、単一での使用が可能です。
3. SK-600 シリカゲル
球状で色相は白透明、粒径2.36から4.75mmの吸着剤です。比表面積が大きく、同じ量の吸着剤でも、より多くの水分を吸着できます。その反面、直接ミストにさらされると破砕し、また高温での再生を行うと吸着性能が損なわれるという短所もあり、他の吸着剤と比べると使用条件は限定されます。弊社では、シリカ・アルミナと併せて加熱式脱湿装置で使用しています。
4. SK-700 シリカ・アルミナ(セカード)
ペレット状で色相は黄土、5.8φ×5mmHサイズの吸着剤です。耐水性・耐摩耗性・耐圧強度・耐酸性において、他の吸着剤を凌ぎ、使用年数の延長に貢献します。
5. SK-800 合成ゼオライト
球状で色相は淡黄、粒径2.36から4.75mmの吸着剤です。他の吸着剤とは吸着特性が異なり、高温であったり、相対湿度が低い領域においても高い吸着性能を発揮します。通常の圧縮空気の脱湿操作などにはあまり使われませんが、特殊なガスの脱湿や、単一の分子を混合ガスの中から取り出す分子篩(ふるい)などに利用されます。