非加熱再生式では脱湿筒の切替サイクルが短いため、脱圧の時間だけでなく、昇圧(再生側の圧力を脱湿側と同じにする)の時間も充分にとれません。そのため昇圧時に再生側の筒に一気に空気が流れ込み、運転圧力が変動します。
この脈動は下流側の機器に影響するばかりでなく、上流の圧縮機の制御にも影響を与えます。このような切替による圧力変動をなくすためには、加熱再生式脱湿装置を採用する必要があります。
設置環境において加熱再生式脱湿装置を採用できない場合には、適正な空気槽および配管容積を求めることにより脈動を防止する必要があります。
昇圧時に再生流量と昇圧弁の流量の合計値にて昇圧側容器圧力を0MPaから0.69MPaまでに昇圧するために要する空気量は下記の計算により求められます。
容器空隙部容積をV(1,012m3)とすると、全空気量VFPは
圧縮機の定格風量が、ドライヤーの再生流量と負荷側風量が一致していると仮定すると、圧縮機のロード中に予備圧縮機の追起動の起動指令が動作するまでの制御圧力差をΔP : 0.05MpaGとした時に、配管および空気槽の必要容積VALLは
通常圧縮機稼働中にロード圧力からアンロード圧力まで空気槽圧力を昇圧できることを考慮すると圧縮機定格風量QC>負荷風量QLであるので、上記VALLを下回る空気槽および配管容積で設備されるものと考えられます。
・大気圧の絶対圧力(MPa):0.101325
・容器空隙部容積:V
・全空気量:VFP
・制御圧力差:ΔP
・配管および空気槽の必要容積:VALL